マダニ感染症による死亡率や事例を紹介!刺された時の対策方法についても

近頃メディアでも取り上げられている「マダニ」。感染症を引き起こした場合によっては、死にいたってしまいます。その理由として、「マダニ」に効くワクチンが無いということです。
毎年「マダニ」による死者は増加しているといったことが明らかになりましたので、今回はその「マダニ」についてと予防策などをお伝えしたいと思います。
目次
マダニと家ダニの違い
一般的に家庭の中にいるイエダニとマダニの違いを調べてみました。
<資料提供:NIKKEI STYLE>
マダニとイエダニの大きさの違い
イエダニが約0.5mmに比べてマダニは、約3〜8mmと大きいものになると16倍もの大きさになるものもあります。
約3〜8mmとなると、肉眼でもはっきりと生体を確認ができる大きさになります。
マダニとイエダニの生息場所
イエダニは人間の住む家などに多くみられます。主に人間の生活から出る食べかすや剥がれ落ちた皮膚などを餌としながら生息しています。
一方マダニは、シカやイノシシ、野うさぎなどの野生動物が出没する環境に多く生息しています。
人間が住む身近なところでは、地上1メートルくらいの植物の葉陰や民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。更には、ネコや散歩中の犬などにも生息しています。
マダニとイエダニの吸血性と心配される疾患
イエダニは吸血することはありません。しかしマダニは吸血します。通常、直径2~3mmですが、血を吸うとパンパンに膨れ上がり、体重は100倍ほどにもなり、全長1cm以上になります。
しかも長時間(10日間以上のこともあります)にわたって吸血をします。
吸血中のマダニを取り除こうとした時に、無理に取ったりすると、マダニの口器が皮膚の中に残り化膿することがあります。
吸血中のマダニを確認したら、皮膚科等の専門家医の元で適切な処置を受けてください。
マダニによる感染症 死にいたることも
マダニが媒介する感染症は次の通りです。
<資料提供:和歌山市感染症情報センター>
一番感染を恐れられているのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
SFTSは2013年に国内で初めて報告された感染症で、2017年の90人が最多でしたが、2019年は10月20日までに92人となり更に上回わりました。
主に感染者は西日本地域で確認されています。山口県11人、徳島県9人、島根、長崎、宮崎、鹿児島県がそれぞれ8人と、中国四国、九州での報告が目立ち、少なくとも5人が死亡しました。
広島県では感染者数は7人の報告があり、10月に80、90代の女性2人が亡くなりました。中には、発熱や食欲不振などの症状が表れ、入院から僅か2週間後に死亡した女性もいます。宮崎県でも3人が亡くなっています。
マダニ対策・身を守る服装・気をつけること
山歩き、キャンプの時、農作業をする際は、夏でも肌を露出しないことが重要です。
<資料提供:NIID国立感染研究所>
首にはタオルを巻くかハイネックのシャツを着用し、シャツの袖口は手袋や軍手、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるようにし、皮膚に直接マダニが付着することを防ぐようにしましょう。
そして、野外から戻ったら体にマダニがついていないか確認し、なるべく早くシャワーや入浴をした方が望ましいです。
着用していた衣服は家の中に持ち込まないようにし、すぐに洗濯をして天日干しをします。
マダニに噛まれた時の対処法
マダニの吸着部位は頭、首、肩、腕、胸腹部が多く、かまれた直後は自覚症状がない場合が多く、2~3日すると炎症が起こり、かゆみ、違和感、軽度の痛みが出現することがあります。
中には、全く自覚症状がなく気づかない人もいるそうです。
マダニに咬まれたら、数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れたら速やかに医療機関で診察を受けてください。
かまれても必ずSFTSを発症するわけではないので、落ち着いて対処して24時間以内ならピンセットで取り除けるる可能性が高いそうです。
しかし、マダニがセメント質を出して肌に固着しピンセットでは取れない場合や、取っても黒いとげのようなものが残った時には、すぐに皮膚科か外科で除去を行ってください。
まとめ
咬まれたことに気づいたら、放っておくと死にいたるケースもあります。
・約3〜8mmとなると、肉眼でもはっきりと生体を確認ができる大きさ
・長時間(10日間以上のこともあります)にわたって吸血をする
・山歩き、キャンプの時、農作業をする際は、夏でも肌を露出しないことが重要
・マダニに咬まれたら、数週間は体調の変化に注意
・マダニに咬まれてから2~3日すると炎症が起こり、かゆみ、違和感、軽度の痛みが出現する
などが確認できたら、速やかに皮膚科か外科で除去を行ってください。手遅れになると、死に至ることもあります。
登山やハイキングなどで出かける時は、是非気をつけてみてください。